STEP:5では切り返しを身に付けますが、
既に自宅練習虎の巻で掴めていれば、
それでOKですから読み流しても大丈夫です。
ですので、今回お伝えするのは、
『もう少しイメージが掴みたい』
とか、
『感覚を掴みたい』
と言うメンバーに向けてになります。
虎の巻の方法で上手くいかないと言う場合、
”右腕でクラブを降ろしている”
可能性が非常に高いです。
まずはその動きを反復して覚えたら、
実際のスイングでは一旦忘れて、
右手のグリップを緩く添えるだけにして、
スイングをしてみて下さい。
それだけで見違えるように打てる場合もあります。
それと、左膝(レフティなら右膝)をアドレスの位置に戻す動作。
これがイマイチ掴めないと言う事もあるかと思います。
ですので、いずれの方法でもピンとこなかったのであれば、
これからお伝えする方法で試してみて下さい。
・切り返しのもう一つの方法
覚えていてくれたら嬉しいのですが、
STEP:3でやったドリルで、
【がに股スイングドリル】
がありましたよね。
切り返しの方法としてこのドリルが有効に使えます。
■参考動画
がに股スイングドリル
・捻転ドリル(がに股スイング)肩の可動域を知るドリル
虎の巻での切り返しは、右打ちであれば、
”左膝をアドレスの位置に戻すと同時に右肘を右脇腹に寄せる”
と言う方法でした。
言い換えれば、
バックスイングで右股関節が極まった状態から、
左膝を戻す動作によって重心を左に移す。
と言う事になります。
ゴルフでよく体重移動と言われますが、
厳密に言えばこれは”重心移動”の事です。
右股関節に乗った重心(体重)を、
左股関節に重心(体重)を移す(移動する)。
これが体重移動の正体です。
間違っても右足全体に体重を乗せて、
左足に体重を移す事ではありません。
これもまた私たちを迷わせる変な情報なんですよね。
つまり、切り返すと言う動作は、
”右股関節から左股関節に重心を移す”
その一瞬の反転するタイミングが切り返しと言う訳です。
右から左に移る分岐点ですね。
これは振り子をイメージしてみて下さい。
右に触れた振り子が頂点で一瞬止まりますね。
これは慣性と重力のバランスが完全に相殺された、
慣性も重力も0の状態です。
もちろんそこから慣性は0のままですが、
重力は常に掛かっていますから、
自然と逆方向に振り子が振れる訳です。
切り返しはその一瞬の間を言います。
けど実際のスイングの場合だと少し違います。
振り子は自分の意志で動いてはいませんが、
人間は自分の意志で体を動かしています。
つまり、自然運動なのか意図的な運動なのかで、
切り返す方法も違うと言う事になります。
難しい言い方になってしまいましたが、
何となくイメージ出来ればそれで大丈夫です。
自分から意図的に動いていると言う事は、
慣性以外に自分の力もそこに働いていますから、
重力と相殺されると言うのは起こりません。
だから自然落下と言われても感覚が掴めず、
切り返しに悩むゴルファーが多いと言う事です。
もし自然落下をさせるのであれば、
トップで完全に脱力しなければなりません。
そうすると何が起きるかと言いますと、
”ヘッドの方が重いのでヘッドから落ちる”
と言う現象が起きてしまいます。
これはまずいですよね。
クラブを立てて、タメを作って降ろす必要がある訳です。
それがダウンブローと言う事に繋がるのですが、
それは次のステップでお伝えします。
話しを戻すと、じゃあゴルフで切り返すとは、
どうすれば良いのか?
意図的に上げたクラブですから、
意図的にきっかけを作る必要がありますよね。
それが虎の巻では左膝と右肘だった訳です。
バックスイングで股関節に乗った重心を、
膝と肘の動作のきっかけでフォロー側に移す。
これをやっていると言う事になります。
もっと言えば、重心をバックスイング側から、
フォロー側に移すきっかけ。
これが切り返しの本質だと言う事です。
それと同じ効果があれば良いだけですので、
後は方法の違いだけになります。
そこで”がに股スイングドリル”の登場です。
ステップ3では言及しませんでしたが、
がに股であれば両膝は絶対に内にも外にも流れません。
つまり股関節が極まった状態と膝の不動が、
何の意識もしなくても出来上がります。
その状態で腰をバックスイング側にスライドしても、
膝が動かないから勝手に回転運動に変換されます。
これが骨盤の正しい動きになる訳ですね。
きちんと股関節からアドレス出来ていれば、
本来は腰を横に動かせば勝手に前後運動になります。
ピンと来たかも知れませんね。
そうです。
バックスイングで横にスライドして前後運動になったなら、
逆方向にまた横にスライドすれば、重心移動が出来る。
と言う訳です。
切り返しの本質は股関節の重心移動だと言いましたね。
それならバックスイングで右に乗った股関節の重心を、
左に移すように腰をスライドさせれば良い訳です。
これを意識してがに股スイングドリルをしてみて下さい。
どれだけ横に腰をスライドさせようとしても、
前後の動きにしかならない事が掴めるはずです。
つまり、左膝が伸びきらずに角度を保っていれば、
切り返しでのスエーは絶対に起こりえないのです。
だから切り返しで左膝を軽く曲げた状態で、
股関節から前傾してさえいれば、
腰を左(フォロー側)にスライドするだけで、
自然と切り返しのきっかけになる。
のですね。
この時に脇がしっかりと締まっていれば、
(ステップ2アドレスでの両脇の締め方参照)
右肘は勝手に右脇腹スレスレを通ります。
そして左脇も締まって降りて来ますから、
インパクト再現性が高くなります。
感覚を掴んで慣れたら通常のアドレスに戻し、
左(フォロー側)への腰のスライドを実践して下さい。
但し、気を付けないと簡単にスエーしますから、
ゆっくりとその感覚を感じながら繰り返して覚え込ませましょう。
■参考動画
この動作が身に付くと、その場でクルンッと回る感覚が掴めます。
ゴルフ用語で”バンプ”と言う動作ですね。
ゴルフ雑誌やスイング動画を見ていると、
腰がフォロー側にスエーしているように見えるのは、
股関節に重心を移し替えているからそう見えるだけで、
実際は股関節の前後運動に転換された動きが正体になります。
この理屈を理解するだけで全然違いますので、
頑張って身に付けましょう。
では、引き続き
にてお会いしましょう。
ここまででスイングの8割が出来ています。
もう少しです。踏ん張りましょうね!