■我流と独学の違いとは?
私は今まで誰かに教わった事はありません。
ですが、我流でもありません。
忠実にゴルフスイングの不変の動作を
身に付ける為の方法や知識だけを追い求めました。
我流と言うのは、
方法も知識も学ばずに、
ただただボールを打つ事で
何とかしようとする行為を指します。
それで上手くなれるのは、
本当に一部の天才と呼ばれる限られた人間だけです。
『我流も貫けば一流へと通じる』
この言葉を否定するつもりはありません。
ですが、そこへ辿り着くには、
想像を絶する膨大な努力と、
諦めない強い精神力、
何よりも自分を信じる事が不可欠です。
先ほどの言葉を否定はしませんが、
一般論からすれば、″無謀″な行為です。
我流を貫くには、
他の全てを犠牲にしてでも
取り組まなければ得られない
境地であると言えます。
これに対して【独学】とは、
一体何でしょうか。
一言で言ってしまえば、
【きちんと理論を学び、実践する】です。
それが、誰かに教わるのではなく、
自分の力だけで行う行為を指します。
昔は、上達と言えば誰かに師事するか、
それこそ我流を極める以外に
方法がありませんでしたが今は違います。
雑誌は毎月何冊も情報を提供しています。
テレビでもゴルフ番組を放送しています。
極め付けは、ネットを覗けば手に入らない情報は
無いんじゃないかと思う程に溢れ返っています。
ではなぜ、今の方が昔に比べて
遥かに情報が多いにも関わらず、
昔も今も上達に悩むゴルファーが
後を絶たないのでしょうか?
100が切れずに悩むゴルファーにとっては、
100の壁は変わらず昔も今も、高い壁のままです。
もし、情報量の違いが上達の違いなんだとしたら、
その仮定は矛盾していると言う事です。
『情報量の差が、上達の差』
とはならないのです。
では、ゴルフの上達を分ける
最大の違いは一体なんなのでしょうか?
それこそが、
これからお伝えする秘密であり、
本質的な部分なのです。
そもそも、人が何かを学び、身に付けるには、
最初は方法を知る事から始めます。
何でも良いのですが、例えばスケート。
いきなり上手く滑る人も中にはいますが、
今知りたいのは、
滑れないから滑れるようになる方法のはずです。
まずは、立つことから始めて
少しずつ慣れてきて、
次はゆっくりと足を出す事を練習します。
それが出来たら、また少しずつ、
片足で蹴って反対の足のスケート靴の刃で
滑る感覚を掴む練習を始めます。
その″滑る″感覚を掴めたら、
徐々に慣れてスムーズに滑れるように、
練習を″繰り返す″事で覚える訳です。
どの段階で躓いて、
どの段階で掴めるかは、
人それぞれですが、
結局は滑れるようになるには、
どこで躓くにしても、
それを乗り越える為には、
″コツ″を掴み、
スムーズになるまで
″繰り返す″
しか解決はしない訳です。
更に、滑れるようになったとしても、
最初はぎこちなくて危なっかしくても、
繰り返す内に体が覚えて、最終的には
″無意識″
でも上手く滑れるようになれます。
ゴルフでも、全く同じ事が言えます。
難易度の違いは、
ゴールをどこに設定するか?
にもよりますが、
もし、
″全てのクラブで完璧なショット″
を求めるなら、スケートで言えば、
″三回転半″
を必ず成功させるような物です。
しかも、ゴルフはコースで、
スケートは本番の演技中に。
練習は、ただ打つ事だけが出来るし、
ただジャンプを飛ぶ事だけが出来ます。
もちろん練習で出来ない事が
本番で出来る可能性は、
限りなく低いですが、
単純に難易度の話しであれば、
″それだけ″なら、
簡単とは言いませんが、
本番で成功させるよりも、
習得は易しいと言えるのです。
まぁなぜか、ゴルフは練習でも出来ないのに、
本番で出来る気になって無謀なショットを狙う
ゴルファーが多いのですが、、、
スケートでもただ滑る事が
ゴールなら難しくはありません。
ゴルフでも、パターに当てる事が
ゴールなら難しくありません。
もし、三回転半を飛ぶのがゴールなら、
それが出来るまで同じ事を練習するしかありません。
もし、ドライバーで遠くに飛ばしたいなら、
その為の練習を繰り返すしかありません。
ですが、スケートもゴルフも
目指すゴールはそこではありません。
本番の演技で高得点を出す事。誰よりも速く滑る事。
そして、ゴルフでは、よりスコアを良くする事です。
これがゴールであり、目指す目的のはずです。
その中の一つとして、
まずは打つ事を習得する必要があって、
その方法を知る事から始めて、
どうすれば身に付ける事が出来るのか?
そして、最終的にはコースで
上手く打てるようになって、
スコアを良くするにはどうすれば良いのか?
と言う事です。
話しを戻すと、
ゴルフに限らず何かの習得を目指して
本番での結果をゴールとするならば、
この段階を踏まなければならない訳です。
『そんなのは分かってるよ。』
『分かってても上手くなれないから困ってる。』
と言う声が聞こえてきそうですが、
もちろんこれにも理由があります。
と言う事で、次回に続きます。
次回『人間の記憶のメカニズム』をお送りします。